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Posted by さぽろぐ運営事務局 at

2017年12月17日

旅立ちました…

仕事でお世話をしていたSさん(92才)が、
12月8日に安らかにお空に旅立たれました。

数か月前、「サンダーさん、私、死ねなかったらどうしよう…」と
言われ『えっ?…』と構えました。

「Sさんの順番は誰にも分からないのよ」
「お役目が終わって、神様から頂いたご褒美が
終わったらお迎えが来ますよ」と
思わず出た言葉でした。
私とSさんの間では「自分の死」について度々話していましたので
なんの疑問もありませんでしたが、
問われた日はいつもと違っていました。


1965年発行 (株)岩波書店
1948年にアメリカの最優秀絵本として、コールデコット賞を
受けた「ちいさいおうち」
この本の日本語版を企画・編集したのがSさんなのです



「障がい児に読書の喜びを」と私財を投じて
「ふきのとう子供図書館」を作った方でした。
そんなSさんのお話を聞くのが大好きでした。
東京出身でしたが、ご主人の転勤で北海道に。
「よく来ましたね~」と話すと
「両親は熊の出るような所にはやれない」と言われたと
笑って話してくれました。
障害児の為に、立ち上げから運営に携わり
一生懸命に心血を注いでいたSさん。
目の不自由な子供に手で触って読む「布の絵本」を作る提案をして
ボランティアのスタッフの方達と作ったり。

1974年に書籍小包料の値上げが報道された時は
図書館に通えない重度障がい者の方には巡回バスや郵送で
配本する事や図書館への盲人・身障者対応の図書館の義務づけを求めるなど
ガリ版刷の要請文を各方面に配ったそうです。
「障がい児や目の見えない子は図書館に来るのは大変でしょう」が口癖でした。

新聞への投書が横道孝弘衆院議員(当時)の目にとまり
「頑張って。支援します」とお電話が来たそうです。
その後読書の権利の請願が採択され、75年に現行料金の半額になりましたが
ふきのとう文庫は79年に財団法人なって、この制度が適応になったとの事です。
その当時の村上勇郵政相に
「あなたは他人のために一生懸命になって、奇特な方だ」と
言われたと。

Sさんは行動的な方でしたから、晩年とはいえベットで横になっていることは耐えられなかったと思います。でも一言も愚痴を言って困らせる事はありませんでした。私が出来る事は、お元気だった頃の話を引き出してあげる事でした。
その時の生き生きしたお顔は忘れられません。

Sさん、沢山のことを学びました。ありがとうございました。
安らかににおねむり下さい。

                       合掌
  


Posted by サンダーソニアM at 18:00Comments(8)コーヒーブレーク